黒ヤギのアイデアスイッチ

【ドラゴンボール】ナメック星人の同化は本当にきっかけに過ぎなかったのか【考察】

ドラゴンボールに出てくるピッコロ。

 
彼はナメック星人という特殊な能力を持った種族です。
 
腕が伸びたり、巨大化したり、体を再生したり……
 
そしてその特殊能力の中に、「他のナメック星人と同化する」というものがあります。
 
ナメック星人同士で一体化することにより、戦闘力が何倍にもなる。
 
そして片方の人格だけが残り、同化される側は「ただのきっかけにすぎない」らしいのです。
 

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取り入れる側からすると願ったり叶ったりな同化。
 
しかし、同化することによって本当に戦闘力が増えるだけで終わるのでしょうか。
 
今回は同化した後のピッコロの言動を追って、「同化が本当にきっかけに過ぎなかっただけのか」を考察したいと思います。
 
目次
瀕死のネイルを見つけたピッコロが近寄ると、自分と似た種族に驚きます。
 
するとネイルは「私と同化しろ……そうすればお前の力が数倍になる……」と息も絶え絶えに説明します。
 
ピッコロは「うれしい申し出だが」と前置きし、
 
「オレはオレでいたい! 人格まで貴様などとは同化したくない」
 
と拒否をします。
 
それに対してネイルは
・時期に私は死んでしまう
・人格はピッコロのもの
・わたしはただの(パワーアップの)きっかけにすぎない
 
と説明しました。
 
ピッコロはしぶしぶながらもネイルの説明で同化を決意します。
 
 
 

戦闘力の大幅アップ

ネイルと同化すると、ピッコロは体から力が溢れて来るのを感じます。
 
それに驚くとともに喜び、諸手を挙げて喜びました。
 
ドラゴンボールがバトル漫画で、特にこのフリーザ編では戦闘力のインフレが起こっており、読者もパワーアップにしか目が行ってなかったと思います。
 
界王星で数日しか修行をしていなかったピッコロは同化によってパワーアップをし、フリーザの第二形態とほぼ互角並の戦闘力になりました。
それでも見た目はピッコロのまま。
 
ネイルの言った通り、同化は片方の意思のみが残り、吸収された方はパワーアップの引き金になるだけのように錯覚してしまいます。
 
しかし、同化した後のセリフを追ってみると同化で得られたものは戦闘力だけではないことに気づきます。
 
 
 

同化した後のピッコロの言動の変化

最長老「様」発言

ピッコロは孫悟空との対決、孫悟飯の師事を通じて感情が穏やかになっていきましたが、それでも元大魔王の記憶と意思を受け継いだ不遜な態度を取っていました。
 
もちろん神様を越えた界王に対しても「貴様」と言いはなっています。
 
サイヤ人編でナッパに殺され、界王星で修行していたピッコロは、ナメック星のドラゴンボールによって蘇生し、さらにナメック星へ降り立ちます。
 
初めてナメック星に来たときの感想は「(初めて来たはずなのに)妙に懐かしい気分」
 
そして初めてネイルを見つけたときは自分と見た目が似ている事に驚いています。
 
と、もちろんナメック星に関する情報は一切無かったはずです。
 
しかし同化をした後は、あれだけ上下関係に疎かったピッコロが(知らないはずの)最長老を「最長老様」と呼び死を悼み、初対面のデンデの名前を知っていました。
 
要するに同化はパワーアップだけでなく吸収した側の記憶まで共有する事が発覚しました。
 

人格の変化

同化したときに記憶が共有されたことで、ピッコロは人格が変化している事がわかります。
 
意識のベースはピッコロとしても、膨大な記憶が入り込むことによって、意識していなくても人格が歪まされてしまっています。
 
ピッコロは意識が残っていて気づいていなくても、同化について詳しいネイルは知らないはずはありません。
 
なのでアニメでの同化直前のネイルの笑みの理由が分かったような気がします。

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トキソプラズマとネズミの関係

自分が意識していなくても人格や行動が変えられてしまう。
 
これは洗脳やマインドコントロールと同じです。
自分の努力のおかげで成し遂げたはずの成功を宗教のおかげと思い込まされ、さらには他の人に宣伝して勧誘することが宗教のあり方だと刷り込まれるのと一緒です。
 
話は変わりますが、ネコに常在しているトキソプラズマという単細胞生物は、ネズミに寄生すると脳を操ってしまいます。
 
卵としてネズミの体内に入ると成長してネズミの脳内に入ります。
 
そしてネコの体に戻るためにネズミが食べられやすくなるようコントロールします。
 
反応速度が鈍ったり、危険に対して疎くなったり、ネコに襲われたときの行動が鈍るようになってしまいます。
 
話が逸れてしまいましたが、ピッコロさんはネズミと同じように、知らないうちに脳を支配されていたのではないかと思われます。
 
 
 

神様の同化の拒否はピッコロの変化に気づいていたから?

元々はピッコロと一体だった神様。
 
地球に降り立った龍族の天才児「カタッツ」の息子は、人間の汚い部分を見て悪の心が芽生えてしまいます。
 
その善の部分と悪の部分を切り離し、善が神様、悪の部分がピッコロ大魔王になってしまったのです。
 
悟飯と触れあうことで性格が変わり、神様も認めるほどの人格者になったピッコロ。
 
ですがネイルと同化した後のピッコロが変わってしまっていたことに気づいてしまったのでしょう。
 
ピッコロから同化を促された時に渋ってしまいます。
 
まるでそのときのピッコロが会員制の調理器具を売りに来る疎遠だったはずの同級生に見えていたはずです。
 
しかしピッコロ、セールスのために心理学を習得していました。
 
街でセルが暴れている様子を神様に見せます。
 
人間が恐怖や不安で操りやすくなることを知っています。
 
恐怖に直面すると動けなくなり、視野が狭くなります。
 
頭ではあれこれ対処を考えているつもりでも実は何も考えることができていないんですね。
 
そしてピッコロは同化を勧めます。
 
逃げ道や解決策を提示すると人間は素直に従ってしまいます。
 
人間には限らず、ネズミでも逃げ道を見せるとそこしか見えなくなり向かってしまいます。
 
こうしてしぶしぶながらも神様はピッコロと同化しようと思うのでした。
 
 
 

神様との同化後はもちろん

同化したピッコロは神様の記憶が入ってきたことで、もしかしたらこの時点で同化によって人格が変わってしまうことに気づいたかもしれません。
 
しかし後の祭り。
 
神様と同化した後は自分の事を「神でもピッコロでもない名前を忘れてしまったナメック星人」と名乗ります。
 
そして不遜だった性格は変わり、貴様呼ばわりしていた界王に「様」をつけ敬い、界王神様は名乗られただけで恐れおののいてしまうようになります。
 
変わってしまった事は悟空にも気付かれ、「神コロ様」と呼ばれてしまう始末。
 
初期のキャラは崩壊し、神様の持っていたギャグ要素も取り入れた名前を忘れたナメック星人に成り下がってしまいました。
 
 
 

結論

このピッコロの一連の行動は、「自分だけは大丈夫」と思っている人ほど騙されやすいということを如実に表していると思います。
 
みなさんもネイルのような言葉巧みに同化を勧めるような輩には気をつけてください。
 
あれ?そんなはなしだったっけ?まぁいいや。おしまい!