黒ヤギのアイデアスイッチ

うまかっちゃんよりも醤油ラーメンが食べたくなった話

起き抜けになにか食べようと戸棚を開けたらインスタントラーメンが入っていた。
 
うまかっちゃん」と「どこの馬の骨かわからない醤油ラーメン」。
 
うまかっちゃんとは西日本ローカルで売られているインスタントラーメン。
博多弁そのままのネーミングから分かるように福岡発のとんこつ味のラーメンである。
 
 
 
福岡の人間は地元愛が強い。とてつもなく強い。
三菱UFJコンサルティング&リサーチが調査した市民の地元愛ランキングでもぶっちぎりで1位。
三菱が言うんだから地元愛が強い。
 
長谷川法世博多っ子純情で市民権を得たし、武田鉄矢も福岡のネタを全国に振りまいている。
 
初めて見るアーティストや芸能人のプロフィールに「福岡県出身」と書いてあると見る目が変わる。
 
 
 
 
県外の女の子と遊びに行った時もどっかご飯に行くときはとんこつラーメンを食べに行く。
 
それも一蘭のように観光客に向けて作ったり県外に展開していった店ではなく、地元に目を向けたラーメン屋である。
 
福岡のいいところを教えているわけでも、自分がラーメンを食べたいからではない。
ラーメンを誉められることで自分の中の地元愛が満たされるのである。
 
ラーメンというツールを使って福岡県民独特の承認欲求を満たすのだ。
 
 
 
そんなわけで「福岡出身」であり「とんこつラーメン」という「うまかっちゃん」というインスタントラーメンは福岡の人にとって聖典なのである。
 
 
 
戸棚を開けると「うまかっちゃん」と「どこの馬の骨かわからない醤油ラーメン」がある。
 
もちろんうまかっちゃんが入ってる事も知っていたし、うまかっちゃんを食べる気でいた。
 
しかしその時の僕はうまかっちゃんに隠れるように見えた醤油ラーメンに手が伸びたのである。
 
 
 
醤油ラーメンの袋を手にとって、自分の行動が分からなくなった。
 
なぜ取ってしまったのか。
 
病気なのではないかと思い、ネットで検索しようとする。
 
しかしどんなワードで検索すればいいかわからない。
 
分からないので「うまかっちゃん 食べたくない 」と打ってみる。
 
検索した先には福岡県民の愛に溢れたうまかっちゃんの紹介記事ばかりが表示されている。
 
下位のページをどこまで辿っても健全な博多っ子の地元愛がつづられている。
 
 
 
Yahoo知恵袋で検索しても見つからない。
どこまでいっても福岡の人間が言葉を変えてうまかっちゃんを讃えているだけである。
 
時に熱狂的に、時に理知的にうまかっちゃんを賛美している。
 
ブログにできないまでも短文でつぶやく理解者がいるかもしれない。
ツイッターで検索してみる。
 
うまかっちゃんしかたべたくない」というよく分からないツイートしかない。
 
僕の病気の原因は分からなかった。
 
 
 
とんこつラーメンは豚の骨をじっくり煮込んで出汁をとるらしい。
 
小さい頃は豚で出汁を取る労力を取れないずぼらな人が醤油をかけて作ったのが醤油ラーメンだと思っていた。
 
そんな手抜きのイメージのついたラーメンを自分は食べようとしている。
 
何もないからしょうがなくではない。隣にうまかっちゃんがあるにも関わらずである。
 
 
まだ病気の原因は分からない。もしかしたら寄生虫が脳を操ってるかもしれない。
おしりにシールを貼って病院で見てもらうまで一旦落ち着こう。
 
いや、人体に有害な電波でおかしくなってるかもしれない。アルミホイルで家を覆って
 

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あ、もう茹でてしまった。
 

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まだ挽回の余地がある。
インスタントの麺はどの製品でも変わらないはずである。
 
いや、もし違っていたとしてもスープさえ変えればそれはもううまかっちゃんである。
まだ間に合う。今ならまだ

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間に合いませんでした。
 
 
醤油ラーメンの麺を茹でて醤油ラーメンのスープを入れた醤油ラーメンでした。
 
 
 

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最後にご飯も入れてしっかり食べちゃいました。
 
 
 
 
 
 
 
……
 
 
……うまかっちゃんもおいしいのでどうぞよろしくおねがいします!