黒ヤギのアイデアスイッチ

アメリカとイランの関係が悪い理由を歴史をふまえてまとめてみた

ここのところアメリカとイランの間で物騒な話題が続いています。

 
アメリカの軍事基地を攻撃したり、報復をするとかしないとか……
 
なんでアメリカとイランはこんなにギクシャクしてるのでしょう。
 
じつは欧米諸国とイランの歴史を見るとなんでいがみ合ってるのかが理解できます。
 
でも、歴史の授業でもそうですが、年表とか、漢字やカタカナの暗記ばっかりで、いまいち好きになれない分野で頭に入ってきませんよね。
 
と言うことでめちゃくちゃ簡潔に、中田のあっちゃんばりにはしょって時系列を整理してみようと思います。
 
要約すると、アメリカの言いなりだったのが、革命でアメリカから離れていって仲違いをした経緯があるのですが、できるだけ絵を使って説明してみます。
 

戦後のイランと西欧諸国

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第二次大戦が終わると、世界の覇権をアメリカとソ連で争うことになります。
 
イランは、当時のソ連と隣り合わせだったので、ソ連に取り込まれてしまわないかという不安が西欧諸国にありました。
 
なので、イランの皇帝と仲良くなり、イランの共産化を防ごうとします(ソ連と繋がらないように牽制)。
 
アメリカが主体となり、イランに欧米の文化を取り入れさせていきます。
 
産業の工業化、識字率の上昇、農地の解放など、イランは近代化を始めます。
 
アメリカの文化が流れ込み、1970年代までイランは西欧諸国のような街並みをしていました。
 
要約
1950~1979まではアメリカと仲良しだった
 

イラン革命アメリカからの脱却

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欧米化を推し進めたイランでしたが、国内ではその政策に不満を持つ人が増えていきます。
 
皇帝は強引に反対勢力を鎮圧していましたが、次第に抑えきれなくなります。
 
国内ではアメリカの影響の排除、イスラム教の考えに戻ろうとする動きが大きくなり、1979年についに皇帝を国外に追放します。(イランイスラム革命)。
 
欧米のようだった街の風景は一気にイスラム一色になります。
 
こうしてイランの新しい時代が始まっていくのですが、排除されたアメリカからすれば納得のいかない展開です。
 
このときからイランに対して執拗に嫌がらせを始めていくのです。
 
要約
イランの革命とアメリカの不満が始まる
 

アメリカの数々の嫌がらせ

革命直後のイランは不安定な時期と言うことで、隣のイラクが戦争をしかけてきます。
 
アメリカはイランの敵のイラクに介入し、戦争を手伝います。
 
さらにイギリスはイラン国内での暴動に関与するなど、国内外でイランへ嫌がらせを続けました。
 
そして2002年。アメリカは、イランが核開発を進めているという声明を世界へ向けて発信するのです。
 
イランは「原子力発電所の研究で核兵器の開発ではない」と反論しますが、聞き入れてもらうことはできません。
 
イランから産出される石油などの輸出を規制するなど経済制裁をとられてしまいます。
 

窮地に立ったイランをオバマが救う

国外へ天然資源を輸出できなくなったイランは苦しくなっていきます。
 
国は貧しくなり、イランを守るために戦争やテロを起こしかねないほどの窮地に立たされてしまいました。
 
しかし、この状況をアメリカの前大統領のオバマが救います。
 
イランの核開発を制限する代わりに経済制裁を止めるというイラン合意という声明を世界と結びます。
 
これが2016年の事。
 
互いの妥協点を作り、世界の緊張は解消されることになりました。
 

トランプ大統領がすぐに破棄

イランも最悪の危機を脱したイラン合意ですが、アメリカの新大統領のトランプがすぐに話を白紙に戻します。
 
2018年。イラン合意から2年後にその合意から脱退することになります。
 
これによりアメリカとイランの緊迫した状況が戻ってしまうことになりました。
 
戦争しかねない状況。
でも互いに戦争までは発展させたくない。
 
その思惑からなのか、いがみ合いつつも報復までは起こさないという奇妙なバランスが二国間で続いています。
 
 
 
 
 

まとめ

最近のいざこざは1970年代にアメリカからイランが離れた事から始まっています。

 

今から50年前。

 

現在生活している人のほとんどは生まれたときからいがみ合ってるので、それが当たり前の世界だと思ってるのではないでしょうか。

 

その世界を変えるオバマ大統領のイラン合意。

 

また合意前の緊迫した状況に戻ってしまいましたが、もう現地では常識になってしまっているだろう二国間のいがみ合い。

 

それを解決するような革新的な関係をつくってほしいと思います。